使用ソフト:Blender4.0.0
Blenderとは
3DCGについてこれまでご紹介してきましたが、3DCGを作成するための専用ソフトを「3DCGソフト」といいます。
Blenderは、3DCGソフトのひとつです。
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※Blenderのインストール方法についてはこちら
Blenderが3DCG初心者におすすめな理由
3DCGを作成するためには、3DCGソフトと呼ばれる専用のソフトを用います。
3DCGソフトには「統合型」と「特化型」があります。3DCGの製作過程ではモデリングのみならず、アニメーション、質感設定、レンダリングなど他にも様々な機能を使用することになりますが、それらすべての機能をそろえたソフトが統合型です。一方、モデリング、質感設定など一部の機能に特化したソフトが特化型です。ここでは一部だけ紹介し、その詳細は省きます。
①完全無料
何よりも一番大きな点は「完全」無料であることだと思います。
機能拡張のための有料アドオン等は存在しますが、3DCG作成をする上での基本的な機能はすべて無料で使うことができます。
オープンソース、すなわちソフトのソースコードが一般に公開されているため世界中の開発者によって開発されており、開発者に対する寄付を募っているため無料で提供できるようです。
無料ですぐにダウンロードして使い始めることができるため、3DCGをこれから始める初心者の方にもってこいのツールです。
特に、3DCGソフトの中には高価なものも多いので、そういったものを購入する前にBlenderで3DCGの作成を試してから有料のソフトに手を伸ばすといったこともできます。
②機能の豊富さ
Blenderは無料であるにもかかわらず、有料ソフトにも引けをとらないほど幅広い機能を取り揃えています。
まずは3DCG作成に欠かせない「モデリング」、「質感設定」、「レンダリング」はもちろんのこと、物理的な計算をコンピューターが行い、現実に即した現象を再現できる「シミュレーション」、粘土のようにモデリングができる「スカルプトモデリング」、キャラクターなどにボーンを設定し動かすための「リギング」などといった機能があります。さらには、連番画像を動画化したり動画をカットしたり背景を変更するなどの簡単な動画編集までBlenderで完結できてしまいます。
このように、無料であるにもかかわらず3DCGを作成するのにBlenderひとつで一通り完結できるくらい機能が豊富であるため、Blender1本で3DCGのすべての操作に触れることができます。
③解説サイト・動画の豊富さ
無料であるため、Blenderのユーザー数は世界中に多くいます。そのため、Blenderについて解説したサイトや動画が豊富で、問題が発生した際も、検索することで解決策を探しやすくなっています。
有料ソフトのように公式のサポートは充実していませんが、操作で困った際にはネット上にいくらでも情報が転がっているため初心者の方にとって心強いと思います。
④日本語対応
海外のソフトであるためもともとは英語表記ですが、設定することにより日本語でも使用できます。
ほんの一部英語のままの箇所もありますが、ほとんどの部分が日本語に対応しています。3DCGソフトの中にはすべて英語のまま扱わざるを得ないものもありますが、Blenderは日本語のまま問題なく扱えるため英語が苦手な方でも3DCGを始めるハードルが低くなります。
Blenderさえあれば充分?
ここまでBlenderの機能が豊富だと3DCG作成をするためのソフトはBlenderさえあれば他はいらないように感じてしまいますが、そうとも言い切れません。
たしかに、Blenderは3DCG作成において必須な機能をすべてそろえてはいますが、機能によっては他のソフトの方が高機能であることが多々あります。
例えば、質感設定においては、BlenderよりもSubstance
3Dのソフトの方が高機能でより多様な質感を作成できます。
このように、Blender1本よりも他のソフトを併用した方がより高いクオリティを目指せるため、これから3DCGを始める方はBlenderを使用してみて3DCG作成の一連の操作に慣れてきたら他のソフトを併用してみるのもいいと思います。
Blenderのシェア率
数年前までは企業で使用する3DCGソフトといえば、Mayaや3ds
Maxでした。
しかし、オープンソース形式のBlenderは世界中の開発者によって開発され続けており、そのシェアを着実に伸ばし続けています。実際に、2024年の調査によると、新規プロジェクトの40%にBlenderが使用されているというデータがあります。Blenderの開発の柔軟性や、世界にソースが開かれていることにより、この数値は今後増加していくことが予想されます。
Blenderでできること
実際にBlenderでできることについてもう少し詳細にお伝えします
モデリング
Blenderは、主にポリゴンモデリングとスカルプトモデリングという2つのタイプのモデリング方法に対応しています。
ポリゴンモデリング
スカルプトモデリング
これにより、工業製品などの直線的な形状から、キャラクターや動物などの有機的な曲面形状までBlender1本で様々な形状を作成することができます。ほぼどのような形状でも作成できるといっても過言ではありません。
質感設定
Blenderでは作成した3Dモデルにさまざまな色や、質感を設定できます。
例えば、2D画像を3Dモデルに貼り付けるようにして任意の色や模様を設定することもできます。
また、設定できる質感の幅も広く、布などの柔らかい質感から、金属などの硬い質感、ガラスや水などの透明な質感も設定できます。
レンダリング
3D空間に作成したモデルを、光源や質感を計算して2Dの画像として出力する工程をレンダリングといいます。
Blenderでもレンダリングが可能です。質感やライティングにこだわれば、写真と見間違うようなフォトリアルな画像や映像を出力することも可能です。
リギング
作成したキャラクターなどの3Dモデルに骨格を設定し、動かせるようにすることをリギングといいます。
Blenderでも、”ボーン”とよばれる骨となるオブジェクトを配置し、3Dモデルと関連付けることで動きを付けられます。また、その動きの様子のアニメーションを作成してレンダリングし、動画として出力することもできます。
シミュレーション
Blenderでは、現実に即した物理的な現象をコンピューターが計算してシミュレーションし、アニメーションとして表現することが可能です。
例えば、動画のように剛体の立方体をある高さから自由落下させた際のリアルな動きをそのままアニメーションとして出力できます。
他にも、流体シミュレーション、クロスシミュレーション、ソフトボディシミュレーションなどさまざまな状況でのシミュレーションが可能です。
動画編集
Blenderは3DCGソフトでありながら、簡単な動画編集まで可能です。
例えば、動画のカット/分割/入れ替えなどの基本的な操作や、連番画像(ファイル名が連続した数字になっている画像群)を読み込むことで、それらをつなげた動画を出力することもできます。
まとめ
この記事では、Blenderが3DCG初心者の方におすすめな理由やBlenderでできることについてお伝えしてきました。何度も言うように、Blenderは無料でありながら非常に多機能な3DCGソフトです。3DCGをこれから始める方が入り口とするには申し分ないソフトだと思います。
最近はUIもかなり改善されて、使いやすくなっています。Blenderの操作に慣れておけば、他の有料ソフトに移行しても同じような操作感ですぐに慣れていくことができるでしょう。
この記事でBlenderに興味を持たれた方は、この機会にぜひインストールして3DCG製作への一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。
※インストール方法についてはこちらに記載しています。
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