3Dスキャナ―活用事例
教育・文化財
デジタルアーカイブ化で
文化財を利用・共有
3Dスキャナーの活用事例
教育・文化財
デジタルアーカイブ化で
文化財を利用・共有
文化財の継承における課題
文化財は伝統的な文化や歴史が一つの形になったものであり、貴重な資産となっています。
文化財を後世に継承していくためには、より多くの人に文化財を共有し、興味を持ってもらう必要があります。しかし、文化財を共有する為にはいくつかの課題があります。
<課題>
- ・文化財は誰でも見られるわけではなく、実際に見るためには博物館や美術館に赴く必要がある。
- ・現地に赴いてもケースに入っており、見たい角度や距離で文化財を見ることができない。
- ・教科書や文献に載っている写真は、平面化された情報であり、詳しい形状を共有できない。
- ・文化財を様々な場所で展示するには現物を移動させる必要があり、劣化や破損の原因になり得る。
これらの課題を解決するために、文化財を「デジタルアーカイブ」化することを考えます。
デジタルアーカイブ化する
「デジタルアーカイブ」とは、文化財や資料をデジタルデータとして保存し、そのデータを公開することで多くの人に共有・利用してもらうことを目的とするものです。
デジタルアーカイブ化することで以下のようなことが可能となります。
<メリット>
- ・誰でも好きな時間に好きな場所で文化財を見ることができる。
- ・見たい角度や距離から文化財を見ることができる。
- ・展示することによる風化に伴う劣化を防ぐことができる。
- ・一度デジタルデータにすれば、展示のために文化財を移動させる必要がなくなり、移動に伴う破損の危険性を回避することができる。
保存したデジタルデータを教科書の補助資料として利用するなど、共有以外の用途も考える場合には正確な3Dデータを作成する必要があります。
3Dスキャナーを用いてデジタルアーカイブ化することでこの問題を解消することができます。
3Dスキャナーを用いてデジタルアーカイブ化する
3Dスキャナーは元々の形状をデジタルデータとして複写するようなイメージです。
3Dスキャナーを用いて3Dデータを作成することで簡単にデジタルアーカイブ化することができます。
3Dスキャナーには形状だけでなく、色情報も取得可能な機種があります。
※電通総研セキュアソリューションで取り扱っているArtec 3D社製の3Dスキャナーは色も取得可能です。
実際に現物とのデータを比較すると以下のような結果となります。
3Dデータなら横や後ろなど360度好きな角度から文化財を見ることができます。
また、拡大や縮小など好きな距離感で文化財を見ることもできます。
3Dデータになることで、文化財の長さや大きさを共有することも可能になります。
また、現物では計測のしにくい周囲の長さも3Dデータならば測定することができます。
文化財に興味を持つきっかけを作る
3Dスキャナーを用いて、文化財をより手軽に共有することができれば、多くの人が文化財に興味を持つきっかけとなり、それが文化財の継承に繋がっていくと考えます。
- ・バーチャル展示を取り入れることで、誰でも文化財を鑑賞することができる。
- ・3Dデータを講義などの補助資料としても活用することもできる。
- ・見たい角度や距離から文化財を見ることができる。
- ・様々な距離の測定ができるため現物の大きさを把握しながら鑑賞できる。
デジタルアーカイブ化することで文化財の保存や修復についても可能となっています。
こちらについては活用事例ページ「貴重な文化財の保管と災害対策」を参照してください。