3Dスキャナ―活用事例
医療・ヘルスケア
自分の身体に合った義肢の製作
3Dスキャナーの活用事例
医療・ヘルスケア
自分の身体に合った義肢の製作
義肢製作においての課題
義肢を製作するうえで、腕や足など身体に接触する「ソケット」の作成は最も重要な作業です。
個々の患者にぴったり合うような整合性のあるソケットを作らなければ、装着時に不快感を与えたり、将来のけがや病気につながる可能性があります。
その「ソケット」を製作するには以下のような課題が考えられます。
課題
- ・採型を行うためのノウハウと技術が求められる
- ・装具と皮膚の接触面が人それぞれで違い正確性が求められる
- ・採型をする際に患者を同じ姿勢で拘束する必要がありストレスが大きい
- ・時間経過や成長に伴う身体情報の管理が難しい
これらの課題を解決する方法として3Dスキャナーで測定する方法を提案できます。
3Dスキャナーの活用
3Dスキャナーは人体のスキャンにも活用が可能です。
3Dスキャナーを使用することで、非常に小さな誤差範囲内で人体を簡単に3Dデータ化することができます。
3Dスキャナーで下図のような3Dデータを得ることができます。
片足ほどの大きさならば2,3分程度でスキャンを行うことができ、患者の拘束時間も非常に短くなります。
また、スキャンデータを基に計測を行うことができます。
メジャーなどの手作業では計ることのできない採寸や正確な数値を取得することもでき、1辺の距離間だけでなく、表面積や体積、断面周囲なども正確に測ることが可能です。
※Artec 3Dスキャナーであれば、スキャンから計測、比較などの一連をすべてひとつのソフトウェア内で取得可能です。
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3Dスキャナーによる解決方法
ソケットを製作するための陽性モデル(元となるモデル)の作成を、3Dスキャナーを使った場合と従来の方法で比較します。
3Dスキャナーを使用した場合、患者に触れることがないため時間以外の面においても患者へのストレスを軽減させることができます。また、患者は座ったままのリラックス状態で3Dスキャンすることができるため身体への負担も軽減されます。
3Dデータは「データ」として保存できるため劣化がなく繰り返し利用可能かつ保存場所の確保も不要です。
3Dスキャンした3Dデータ自体を陽性モデルとして装具の作成も可能となります。
3D上でソケットを作成し3Dプリンターでプリントアウトすることで更に時間の短縮が可能です。
まとめ
3Dスキャナーを使うことで義肢装具士側は作成までの時間短縮につながり、患者側はストレスからの解放をもたらします。
時間短縮、負荷軽減を実現したうえで、患者にベストフィットする「ソケット」の作成が可能です。
患者の成長などで今の部品が合わなくなった場合もスキャンデータを使い、成長に伴う差異を比較することができます。
3Dデータ化しているため部品の劣化などで交換が必要となった場合でもすぐに作り直すことが可能です。