3Dスキャナ―活用事例
その他
3Dスキャナーの基本
3Dスキャナーの活用事例
その他
3Dスキャナーの基本
3Dプリンターにより様々なモノを出力し作成することが可能になりました。
その3Dプリンターの普及と共に、3Dスキャナーにも注目が集まっています。
また、メタバースの展開やDX化(デジタルトランスフォーメーション)により、3Dスキャナーへの関心が高まっています。
3Dスキャナーは何を可能にしてくれるのか?このページでは3Dスキャナーの基本について説明します。
3Dスキャナーとは
3Dスキャナーとは現物であるアナログ情報をデジタル化しパソコンに取り込む装置です。
DXへの関心やメタバース市場の拡大も伴い3Dデータの活用がより注目が集まっています。
これに伴い、どのようにして目の前にある現物を簡単に3Dデータ化するのかが課題として上がります。
3Dスキャナーを活用することでこの課題を解決することが可能となります。
3Dスキャナーの活用
3Dスキャナーはさまざまな業界で活用が可能です。
3Dデータであるため、パソコン上で360度どの角度からもデータを確認することができます。
また、採寸においても垂直線上で測ることもできれば、表面積や体積を得ることも可能です。
3Dデータを3Dプリンターでプリントアウトする、3Dデータを基に型を作成するなどもできます。
製造業 :手の採寸よりも正確に数値を取得が可能。また設計CADデータと現物の差をも取得可能。
デザイン:商品を3Dデータ化しメタバース上に展開させセールス活動や商品広告に利用。
医療 :人体を3Dスキャンし、研究データや矯正器具、補装具の作成に役立てることも可能。
アート :粘土などで造形したものを3DスキャナーでスキャンしCGモデリングの基情報として利用。
文化財 :デジタルアーカイブとして現状を3Dデータ化し、災害や劣化などによる破損部の復元に利用。
教育 :博物館へ行かなくともVRと3Dデータを使い360度視点から歴史資料をいつでも見学可能。
<3Dスキャン後の3Dデータサンプル>
3Dスキャナーのタイプ
3Dスキャナーには「接触式」「非接触式」に分けることができます。
接触式は実際にスキャナーの先端を現物に接触させることで接触点を測定するものです。
接触しているため取得情報の誤差は非常に小さいのですが、広範囲のスキャンには不向きとも言えます。
非接触式は広範囲のスキャンを可能とします。
非接触式は「パターン投影法」と「光切断法」によるスキャンタイプに分かれます。
パターン投影法は縞模様のパターン光を投影し、カメラで模様の歪みを認識し形状を再現します。
パターン光は広く投影されるため、光切断法に比べ短時間で広範囲の情報が取得可能です。
光切断法はレーザー光を当て、その光の反射をカメラで受け取り反射時間から距離を認識させ形状を作ります。
パターン投影法は屋外でのスキャンを苦手としますが、光切断法は屋外でも比較的スキャンし易いです。
3Dスキャン後のデータ
3Dスキャンした直後は点群と呼ばれる点情報の集合体です。
距離を計測するだけであれば点群からも計測は可能ですが、3Dプリントしたい、再デザインしたい、
CADに取り込むなどを期待する場合はポリゴン化する必要があります。
ポリゴン化とは点と点を繋ぎ面を作成させ形状を再現させることです。
ポリゴン化は3Dスキャナー付属のソフトウェア側で処理することが可能なケースが多いです。
3Dスキャンの作業フロー
3Dスキャナーの種類にもよりますが、大まかな作業の流れとしてはどの3Dスキャナーも以下の流れになります。
<3Dスキャンの作業フロー>
- 1.スキャンする
- 2.ソフトウェアでスキャン結果を計算する
- 3.ソフトウェアでスキャン結果からポリゴンデータを作成する
- 4.ソフトウェアで出来上がった3Dデータを確認し出力する
3Dデータを作成するまでの中で、スキャンを行う他にソフトウェア側の作業が大きな割合を占めています。
ソフトウェアは3Dスキャナー本体に付属していることが多いです。
スキャン自体の容易さの他にソフトウェアの機能や操作性も各3Dスキャナーの特徴を知る上で重要です。
Artec 3D社の3Dスキャナーが強力な理由のひとつとして付属のソフトウェア(=ArtecStudio)にあります。 ArtecStudioはスキャン実施の他にスキャン後のデータに対して編集や検査、CAD化など様々な機能を 備えており各業界から非常に高い評価を得ています。詳細はこちらへ
3Dスキャナーの選定ポイント
3Dスキャナーを選ぶ際に、特に重要なポイントとして「精度」と「解像度」が挙げられます。
- 精度
精度はスキャンした直後の点群情報が現物とどれほど差が発生し得るのかを表した数値です。
この数値が小さいほど高精度であり、より現物に近い情報を取得することが可能です。
数値が大きいと現物との差が大きくなり、3Dデータ化した時に期待した結果を得られない可能性もあります。 そのため高精度な3Dスキャナーほど高価となっています。 - 解像度
解像度はスキャンした点と点を繋ぎ面にする際の一辺の長さに該当します。
解像度の値が小さいほど3Dデータ化したときにより現物に近い形状になります。
優れた精度を持っていても、解像度が足りない場合出来上がった3Dデータはぼんやりした形になります。
逆に解像度が小さ過ぎると、面数が増えるため3Dデータサイズが大きくなり、活用時に扱いにくくなる
可能性があります。出来栄えとデータサイズのバランスを確認することも大切です。
Artec 3D社製のソフトウェアは3Dデータ化する際に解像度の数値変更が可能です。
また、機能面から見た場合のポイントとしては「色取得の可否」「マーカーレス」「ポータブル性」などもポイントとして挙げられます。
色取得の可否 : | ファッションや文化財など色も重要な場合は色情報も含めた3Dデータが必要です。 3Dスキャナーによっては色情報が取得できないものもあります。 |
マーカーレス : | 事前準備としてマーカーと呼ばれる基準を必要とする3Dスキャナーもあります。 マーカーによるメリットもありますが事前準備やマーカーを剥がす作業が発生します。 |
ポータブル性 : | 3Dスキャナー本体を持ち運べるか否かという点もポイントです。 持ち運べることによりスキャン場所を気にする必要が無くなります。 |
3Dスキャナーの注意点
3Dスキャナーはすべてのものを完全にスキャンすることが出来るわけではありません。
苦手なものがあるため、予め把握しておく必要があります。
- 黒や透明、光沢のある物は光やレーザーが吸収される乱反射することからスキャンが困難です。
(3Dスキャナー専用スプレーなどで表面に粉を塗布することで回避可能です) - 光やレーザーが届かない穴や溝の奥はスキャンすることができません。
- スキャンソフトから直接CADデータにはできません。CADデータとして扱う場合はリバースエンジニアリングと呼ばれる手法を用いて、ポリゴンデータをCADデータ化します。
Artec 3D社製のスキャナーはブーリアン演算機能が実装されているため穴の整形も可能です。
また、オートサーフェス機能があり、自動でCADデータ化することができます。